村上晶俊の教育論

教育について思うところを書きます。不定期更新。記事に広告を含むことがあります。

学習習慣・学習管理の話

管理方法の工夫

今回は、学習習慣・学習管理について書いていこうと思います。 具体的な手法もご紹介します。

 

学習習慣が大事だとはいいますが、成績が良い生徒全員が毎日勉強しているわけではないでしょう。本来は、必要なときに必要なだけ勉強できれば良いはずです。そして、成績が良い生徒ほど、普段は全く勉強していなくても、試験前などにはきちんと自発的に必要なだけ勉強することができてしまうものです。しかし多くの生徒は、なかなかそうはいかないので、ある種機械的に毎日勉強する習慣をつけましょうということになるわけです。 

 

毎日勉強するとして、その管理方法としては大きく分けて2種類あるのではないでしょうか。 

 

一つ目は、勉強時間を指定するという方法です。学校や塾でも、毎日何時間勉強しましょうなどと、勉強時間を指定されることがあります。時間によって学習を管理することの利点は、予測がつきやすいということです。場合によっては、「19時から20時までは勉強しよう」などと時間帯すらも決めてしまうことができます。毎日決まった時間帯に勉強することも、学習習慣をつけるのに有効だとされています。しかし時間のみを指定すると、学習の質が低下するおそれもあります。あまり集中せずにだらだらと勉強し、ただその時間机に向かっているだけという状態になりかねないからです。 

 

もう一つの管理方法は、教材のページ数やプリントなど、取り組むべき課題を具体的に指定することです。必ずしも毎日取り組むことが求められるわけではないですが、学校や塾などで課される宿題もこの方法といえるでしょう。この方法の利点は、時間にかかわらず指定された課題を終わらせればよいので、「早く終わらせたい」という集中して取り組むインセンティブがあることです。ただし、早く終わらせることだけに囚われて、課題を雑に消化してしまうということもあり得ます。 

 

時間によって管理する方法も、課題を具体的に指定する方法も、一長一短あるということです。そこで私が推奨したいのは、これらを組み合わせることです。勉強時間と課題の両方を設定し、どちらもクリアするまで終われないとするということです。例えば、「1時間」と「ワーク4ページ」という目標を設定したならば、ワーク4ページが終わっていなければ、1時間以上かかってもワーク4ページ終わらせるまでは続けなければならず、逆に早くワーク4ページが終わっても、1時間経過するまでは何らかの勉強を続ける必要があるということです。 

これにより、ある程度2つの管理方法のデメリットを軽減することができるのではないかと思います。できる限り勉強時間を減らしたい生徒にとっても、具体的に指定された課題を終わらせる必要があるので、だらだら取り組んでは勉強時間が増えてしまいますし、時間の指定もあるので、早く終わらせすぎても意味がありません。 

 

冒頭で述べたように、本来は必要なときに必要なだけ勉強すればよいのです。時間と課題を両方指定するというやり方は、指定するものが増えているので、理想からは遠ざかっているというべきでしょう。すでにどちらかの管理方法のみで上手くいっている場合は、逆効果になってしまうことも考えられます。無理に追加で指定する必要はなく、今のやり方をそのまま継続すればよいでしょう。

テコ入れが必要と感じている生徒さんには、ぜひ今回紹介した方法を試してみていただきたいと思います。 

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。