村上晶俊の教育論

教育について思うところを書きます。不定期更新

予習の話

復習を完璧に

今回は、予習の話をしようと思います。主に中学受験をしない小学生や中学生の学校の授業を想定していますが、塾や高校の授業でも当てはまる部分はあると思います。

 

予習・復習が大事だというのはよくいわれるところです。しかし、個人的には、小中学生には、予習はそこまで重要でない、または、非効率であると思っています。 

 

小中学校の先生も予習復習をしっかりしなさいとは言いますが、実際には生徒が予習をしてくることは全く期待していません。授業は、生徒が全く予習をしていないことを前提に進められます。ということは、予習をして事前にある程度理解して授業に臨んでも、もう理解したことの説明をまた聞くことになるだけであるということです。そうであるならば、予習はせずに授業に臨み、授業で理解しきれなかったところを重点的に復習する方が効率がよいということになるでしょう。 


そもそも、多くの小中学生は、復習が十分にできていません。予習をする前に、まずはすでに習った内容を完璧にするべきでしょう。そのうえで予習をすべきです。ただし、それでもすでに述べた予習の非効率性は変わらないので、その内容は工夫すべきかもしれません。個人的には、漢字や英単語・熟語に取り組むのが良いと考えています。これらはどちらにせよいずれ暗記すべきもので、反復して取り組む必要があり、予習も比較的簡単だからです。 

 

ただし、中学3年生で受験が近づくと話が変わります。志望校のレベルにもよりますが、ある程度予習をして早めに入試の試験範囲を終わらせたい場合もあるからです。公立中学校の授業の進度では、試験範囲の学習を終えるのが入試直前ということもよくあります。そこから過去問を解き始めたのでは十分に時間を確保できないということもあり得ます。 

といっても、教科書の順番通りに予習をするのではなく、最後の単元から予習した方が良いかもしれません。順番通りに予習をしたのでは、結局そこから最後まで予習をしなければ時間的なアドバンテージは得られず、予習の負担が大きくなってしまいます。最後の単元の分だけ早く過去問に着手できるだけでも、それなりに時間は確保できます。単元によっては順番に学習しないと理解が難しい場合もありますが、例えば英語なら関係代名詞を知らなくても仮定法は理解できるように、途中の単元を飛ばして予習することができる場合もあります。 

 

基本的には、復習をしっかりしなさいということに尽きると思います。予習をしなければならないとしても、復習がおろそかになってはいけないので、バランスが難しいところです。 

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。