村上晶俊の教育論

教育について思うところを書きます。不定期更新

【高校受験】いつから家庭教師を利用するべきかという話

家庭教師は融通が利きやすい

今回は、高校受験に向けて、いつから家庭教師を利用するべきかという話をします。前回の集団塾の記事もご覧ください。なお、個別指導塾については、家庭教師と同様に考えてよい場合が多いですが、塾により性質が異なる場合があります。

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家庭教師は、集団塾と比べて、時間の融通が利きやすいという利点があります。集団塾は、部活などに多くの時間を割いている生徒にはなかなか利用しにくいですが、家庭教師であれば週1からでも利用でき、複数教科の授業を受けることもできます。

 

また、集団塾では、中学3年生になるタイミングからの通塾を推奨していましたが、家庭教師であれば、授業内容も生徒に合わせることができるので、どのタイミングからでも始めやすいです。集団塾と併用することができる場合もあります。その場合は、集団塾の授業に追いつくための補助として利用しても良いでしょう。その後も苦手の解消や志望校に絞った対策などに活用できます。

 

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なお、上記の記事でご紹介した、「家庭教師のネッキョー」については、集団塾との併用が可能であることがウェブサイトに明記されていますが、「合格王」については、ウェブサイトに記載があるのは小学生の塾との併用のみであり、中学生の集団塾との併用については、記載がありませんでした。ご利用の際には併用が可能であるかご自身でご確認ください。

 

部活などで忙しいうちは家庭教師のみを利用し、勉強に専念できるようになったら集団塾と併用するというのも有力だと思います。ただし、入試が近づくほど、苦手分野や志望校対策が必要になり、家庭教師の強みである授業内容の柔軟性が力を発揮します。勉強に専念できる時期が短いという場合には、家庭教師のみで授業時間数を増やしていく方が有効かもしれません。

もちろん、以前から集団塾に通っている場合には、入試直前だけ志望校対策を目的として家庭教師を利用するということも有効です。集団塾ではなかなか個別の志望校対策まではしてくれない場合もありますし、生徒自身では過去問を解いても傾向に気づけないこともあります。短期間であっても、家庭教師のサポートは点数アップに貢献してくれるでしょう。

 

家庭教師は、様々な目的に対応でき、いつからでも利用しやすいです。授業時間も調整しやすいため、迷ったらまずは短い時間から始めてみるというのも良いでしょう。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

【高校受験】いつから集団塾に通うべきかという話

早すぎるということはないが…

今回は、高校受験に向けて、いつから集団塾に通うべきかという話をします。個別指導や家庭教師についてはまた別の機会に書きたいと思います。

 

集団塾に通い始めるのに、早すぎるということはありません。経済的・時間的に余裕があるのであれば、中学入学と同時やその前からはじめても良いでしょう。

ただ、もちろん通塾には費用がかかりますし、コスパという観点からは早すぎるといえる時期もあるかもしれません。また、生徒本人が部活などに熱心に取り組んでいるのであれば、塾に通う時間も確保しにくいかもしれません。

受験まで時間的な余裕がある時期の学習方法については、過去の記事でも少し触れているものもあります。そちらもご覧ください。個人的には読書を推奨しています。

 

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もし、志望校が早い段階で明確になっていて、現時点での成績が明らかに足りていないのであれば、すぐにでも通塾を始めることを検討してよいでしょう。きわどいくらいのレベルであれば、あまり焦る必要はありません。

 

多くの生徒に私が個人的に推奨しているのは、中学3年生になるタイミングです。といっても、実際に学年が上がる4月からではなく、塾の中で学年が上がるタイミングです。高校受験では3月に学年が切り替わることが多いと思います。4月からの通塾だと塾の授業を途中から受けることになりますが、学年が切り替わるタイミングであれば、中3のカリキュラムの最初から授業を受けることができます。塾の授業は学校の授業より進度が早いことが多いので、途中からの受講は追いつくまで少し大変です。

中学2年生までの学校の授業に問題なくついていけていて、それなりに良い成績をとれているのであれば、このタイミングからでも、問題なく最難関高校にも合格できます。もちろん、志望校のレベル相応の本人の努力は必要です。

 

中学3年生になるタイミングでの通塾が難しければ、夏休みまでには通塾を始めたいところです。夏期講習では復習もしてくれることが多いですし、時間的にも余裕があるので、授業に追いつくための自習時間を確保しやすいです。ただ、最難関校を目指すのであれば、少し時間的な余裕が少ないかもしれません。まずは塾内部のクラスを上げることから始める必要がある場合もあり、クラス編成の機会があまり残っていない可能性もあります。

 

今回の記事で書いてきた内容は、あくまでも一般的なものです。ご家庭や生徒により事情は異なります。志望校や成績、部活などの時間ともよく相談して決めてほしいと思います。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

中高一貫校生は英語をがんばろうという話

高校受験をしないというディスアドバンテージ

今回は、中高一貫校生は英語に力を入れるべきという話をします。特に中高一貫校の中学生向けです。

 

中高一貫校は、授業の進度が早いことが多いです。中学生のうちから高校範囲を学習でき、大学受験に向けてアドバンテージを得ることができます。

また、高校受験対策が不要であるというメリットもあります。中学受験の算数ほど特殊ではないでしょうが、高校受験の数学などにも特有の難しさがあります。高校入試の問題を解くために必要な能力は、必ずしも大学受験に必要であるというわけではありません。

 

数学は、中学生と高校生で学習内容が大きく異なります。三角比や対数、微分積分など、高校で初めて学習する概念が多くあります。もちろん、高校での学習も、2次方程式など中学で学習する内容を前提としています。とはいえ、高校入試で出題されるような複雑な図形問題が解けるほどの学習は必要はないでしょう。基本的な内容がきちんと理解できていれば十分です。大学受験数学については、高校入学時点での実力よりも、高校で新たに学習する内容の理解が重要です。

 

一方で、英語については、中学からの積み上げが重要になります。単語や文法など、中学までの学習がそのまま大学受験に向けた学習のスタート地点となります。

また、英語では、高校で新たに登場する概念といえるほどのインパクトのある内容はあまりありません。中学校の授業でも、従来は高校で学習していた内容を扱うようになっています。そもそも、難関校の高校入試では、以前から平気で高校範囲の英語が使われており、塾の上位クラスなどでも高校範囲まで教えています。

 

高校受験の英語の試験を経験したことは、アドバンテージとなりえます。以前の記事でも書いたように、中学生にはなかなか英文法の重要性は伝わりにくいものですが、高校入試ともなるとそうも言ってはいられません。中高一貫校では授業の進度やレベルも高いとはいえ、定期試験と高校入試では試験範囲も緊張感も違います。定期試験程度の試験範囲では、一夜漬けの付け焼刃でもなんとかなってしまうものです。しかし、一夜漬けの学習では定着せず、大学受験のための武器とはなりません。

 

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中高一貫校は中学生のうちから高校範囲を学習でき、大学受験に向けてアドバンテージを得られるというのは間違いないでしょう。しかし、英語に関しては油断していると高校受験組に抜かされているということもあり得ます。一夜漬けで定期試験を乗り切るのではなく、しっかりと理解を深めていってほしいと思います。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

大学付属高はもっと評価されても良いのではという話

高校受験で大学付属高という選択肢

今回は、中学受験と高校受験の比較をしようと思います。主に保護者向けの記事になります。

 

大学進学までの受験パターンとしては、概ね以下のいずれかになるのではないかと思います。(中学受験で中高一貫校に入ったものの外部の高校を受験する方もいますが、今回は考慮しません。個人的には、中高一貫校の授業のレベルの高さや進度の早さが高校受験にも有利に働くこともあるので、選択肢としてはアリだと思います。)

①中学受験で付属中→高校大学と内部進学

②高校受験で付属高→内部進学

③中学受験で中高一貫校→大学受験

④高校受験→大学受験

今回は、高校受験で付属高に入るパターンとその他のパターンの比較を中心にしていきます。

 

中学選び、高校選びは、最終的にどの大学を目指すのかという観点が重要です。国公立を目指すのであれば、当然ですが私立大学の付属中高に入るのは非効率です。しかし、最終的に早慶やMARCHなどの私大を目指すのであれば、付属校は有力な選択肢になります。学校によって内部進学枠が限られている場合もありますが、ほぼ全員が内部進学できる場合もあります。付属校は、中学受験と高校受験のどちらからでも入れるところも多いです。

 

高校受験で付属高に入る非常にわかりやすいメリットは、中学受験と大学受験をしなくても良いということです。受験対策として家庭教師や塾・予備校に通わせることも考えれば、経済的にも良いです。

そして、高校受験対策それ自体も、中学受験や大学受験と比べると安くすむことが多いです。家庭教師でも、中学受験・大学受験対策よりも高校受験対策の方が料金が安い傾向にあります。

ウェブサイトに料金を記載していない家庭教師センターも多いですが、ウェブサイトで料金を確認できる下記の2社は、中学受験コース・大学受験コースの方が高校受験コースよりも授業料が高額の設定となっています。

合格王

家庭教師のネッキョー

 

また、公立中であればほぼ全員が高校受験をするということも重要です。中学受験生も増えているとはいえ、全員が受験するというわけではありません。塾だけでなく、学校の友だちとも受験という目標を共有できることは、生徒の精神上はプラスの要素でしょう。

 

近年は中学受験をする生徒が多くなっていますが、私大をゴールとするのであれば、必ずしも中学受験にこだわる必要はないのではないかと思います。高校受験で大学付属高に入るという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

英文法の重要性の話

文型と品詞を意識しよう

今回は、英文法の話をします。普段より少し具体的に、英語の学習の話をします。

 

英文法は非常に重要です。以前の記事でも少し書いたような気もしますが、文型や品詞などの文法をしっかり理解できていれば、知らない単語があっても、文脈と合わせてある程度意味を推測できることもあります。空欄補充問題も文法のみでほとんど正解できてしまうこともあります。

 

しかし、文法の重要性の認識は、生徒と講師では温度差があることが多いです。特に受験まで時間のある中学生にはなかなか伝わらないかもしれません。それは仕方のない面もあります。そんなに難しい文法を考えなくても、中学生レベルの簡単な文章なら理解できてしまいますし、問題も解けてしまいます。難関私立中学生でも同じです。複雑な文章や問題に触れないと、文法のありがたみがわかりにくいのです。しかし、受験レベルの英語でしっかりと得点するには文法の理解が不可欠です。

 

中学1年生くらいならば、あまり文型や品詞は意識しなくても良いかもしれません。しかし、中学2年生になったら、少しずつ文型を意識していくべきでしょう。SVOOの文を学習したり、接続詞を学習したりと、文章が少し複雑になってきます。(といってもまだ文型への意識がなくとも何とかなってしまうレベルであることが多いですが。)新たに単語を覚えるときには、文型や品詞も意識するようにしましょう。

 

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文型や品詞は、意識的に学習しなければ身につかないと思います。特に公立中学校の授業では、そこまで重視されていないことが多いと思います。場合によっては、ほとんど言及されないこともあるかもしれません。受験を見据えて自主的に学習するのであれば、少しレベルの高い問題集に取り組むのも良いでしょう。難しい問題で文法のありがたみを知ることで、普段から文法をしっかりと意識して取り組むことができるようになります。勉強を教えるのであれば、問題に直接関係なくとも、ときどき品詞や文型を答えさせてみましょう。少しずつでも、文法への意識づけをしていきましょう。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

見直しの重要性の話

矛盾に気づこう

今回は、見直しの重要性の話をします。もちろん、試験においても見直しは重要ですが、普段の学習においても見直しをしようという話です。

 

宿題に取り組むときに、一通り解答を終えたらすぐに答え合わせをするという生徒が多いと思います。答え合わせの前に、自分で出した解答の検証をしてみましょう。あまり時間をかけなくても良いです。一通り解答を終えてから一気に見直すのではなく、一問ずつ答えを出すたびに検証してみるのが良いでしょう。

 

確かに、見直しても気づきにくいミスもあります。数学では、場合の数や確率の問題では、ミスに気付くにはもう一度解きなおすくらいの時間がかかることもあります。しかし、見直せばすぐに気づけるミスもあります。確率の問題でも、例えば、確率が1を超えるという解答になったときには、何かがおかしいということはすぐにわかります。ほかにも、辺の長さがマイナスになったり、中学数学でルートの中身がマイナスになったり、すぐに間違いだとわかるミスはあります。

 

こうしたミスにはすぐに気づくべきなのですが、それができない生徒も多いです。英作文でも、動詞が存在しない文章を作ってきます。こうしたミスに気づく力は、問題を解くうえでも重要です。英語の空欄補充で、動詞が足りないということに気が付ければ、動詞以外の選択肢は排除することができます。

 

結局、論理的に考えることが重要だということになるのかもしれません。その意味では、プログラミング教育も有効なのかもしれないと思ったりもします。プログラミングそれ自体を使わなくても、論理的に考える訓練として、役に立つのではないでしょうか。

 

誰かが勉強を教えているのであれば、まずは生徒の出した答えに対して、本当にそれでいいのかと聞いてみるのも良いと思います。その答えが正しいか否かは重要ではありません。それを生徒自身に考えさせることが重要です。答えの根拠を聞くことも有効です。論理的な説明を求めましょう。普段からきちんと説明できていれば、数学の証明問題も怖くありません。お作法を覚えるだけです。

 

ミスをするのはある程度は仕方のないことです。ただ、明確に矛盾している解答にはすぐに気づいて修正できるようにするべきです。普段から意識していれば、試験のときにもミスに気づくことができます。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。 

「ながら勉強」も悪くないのではという話

机に向かうばかりが勉強ではない

今回は、もっとカジュアルに勉強しても良いのではないかという話をします。必ずしもずっと集中して取り組まなければならないというわけではないということです。

 

勉強するときには、きちんと机に向かって集中して取り組まなければならないと考えている方も多いと思います。しかし、最近は学習に役立つ動画コンテンツも充実していますし、机に向かってノートを開かなくても勉強することはできます。以前担当した生徒の中には、ご飯を食べながら小テストの勉強をしたという生徒もいました。あまりお行儀のよい話ではないかもしれませんが、ながら勉強も悪くないのではないかと思っています。私自身も動画を見ながらゲームをしたり作業をしたりすることもあります。

 

もちろん、きちんと机に向かって問題を解くという時間も必要です。ただ、学習初期のインプットの段階では、ご飯を食べながら動画などを見て勉強するということも悪くないのではないかということです。なにもそのながら勉強の時間だけですべて完璧にする必要はないのです。そのあとにきちんと集中して勉強して、知識を定着すれば全く問題ありません。いきなり問題集を開いて解き始めるよりは、全てを吸収できていなくても、動画などで少しでもあらかじめ知識を得ている方が学習しやすいでしょう。

 

 

数学はノートを開かないとなかなか勉強するのが難しいことが多いですが、英語などはノートがなくとも比較的勉強しやすいです。単に単語帳や参考書を眺めるだけでも良いですし、動画を視るのも良いです。短い4択の文法問題などを投稿している方も多くいらっしゃいます。それらを有効活用すると良いでしょう。

 

勉強というと、堅苦しく考えてしまいがちですが、必ずしもいつもそうである必要はないということです。「ながら勉強」であっても、時間を有効活用できているのであれば、効率的な学習方法であるといえるのではないでしょうか。あまり難しく考えすぎずに、目についた動画を視聴するのでも良いでしょう。固定観念にとらわれず、自分に合った学習方法を見つけてほしいと思います。

念のため最後に改めて言及しておきますが、きちんと机に向かって問題を解くという時間も、もちろん必要です。勉強に集中する時間もしっかり確保しましょう。

 

今回はここまでとしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。